やっぱり、羽を広げて
Aug. 11th, 2025
『仕事が暮らし』気がつけば、前回の投稿から一年半も経過していました
その間に、我が家には2羽の文鳥が仲間入りし、事務所の拠点を移動、息子は5年生になりました
慌ただしい波に振り落とされまいと、必死にしがみついていたけれど、何気に手を放してみたら、あらっ⁈意外に乗れてる
不安から一転、際どいながらも清々しい気分で、サーフする毎日です
私、何でも地道に取り組んで行くのが好きなたちです
作業が少しでも、山積みでも、単純でも、複雑でも、同じこと
ひとつひとつと向き合います
紐解いていく面白みや、成し遂げていく喜びがあるから、チマチマしたような面倒な作業も嫌いではありません
最近では、自転車を漕いで登る坂道も、頂上を見据えるより、足元を見ながら一漕ぎ一漕ぎ進む方が、より踏ん張って上まで登れる自分に気がつきました
まさに、全身に染み込んだコツコツ体質です(笑)
逆に、ざっくりと掴むのがとっても苦手
過程を端折ったり、急な方向転換をすると、進む方向どころか、自分のいる場所さえ見失ってしまいます
これって、根っからの方向音痴である事にも起因しているんじゃないかな
あの道がこの道に繋がっている…なんて、俯瞰できるのは家の近所ぐらい
何度か自分で歩いたルートでなければ、辿り着ける自信がありません
知っている道を通りたいから、遠回りになったって全然平気
効率はどこ吹く風です…
そんな方向音痴で地図が読めない私にとって、ナビは本当に便利でありがたい存在
ナビのおかげで知らないところにも出かけられるし、私でもほぼ予定時刻に迷わず到着
何度同じ道を訪ねても嫌がられません
考えてみれば、世の中はどんどん便利になっているのに、相変わらず忙しいって変な話ですよね
大人はもちろんのこと、子どもたちまで毎日忙しそうです
そんな忙しい日常をサポートするべく、かなりニッチなところまで取り揃えられている、便利なツール
タイパ、コスパと、効率の良し悪しを判断する機会はあっても、そこで得られた効果をどう豊かにしようか?って展開できる程、上手くは使えていません
ナビで迷わず到着出来る様になった時間は、当然のようにタイムスケジュールに載せてしまう
これでは、返って余裕を削っているみたい
何度通っても覚えていない道や、予定通りに着かない時に出る恨み節…どれもきっと、受け身ゆえの成り行きです
身の回りに溢れる、簡単、便利、手間要らずの数々
手軽さとは裏腹に、取り扱いはそう簡単ではない気がしています
これからの若者達は大丈夫なのかな…
かつての大人たちが私たちに抱いのと同じように、思いを馳せる年頃になったということですかね
『精神的に自由で肉体的に不便な家』
これ、私が大学生時代に出題された設計課題です
当時も相当インパクトがありましたが、30年経った今でも、ふと思い出す事があります
不便と引き換えにしても掴みたい、自分の自由って何だろう…
不便ごと面白がれる余裕にも、心惹かれます
自分自身を喜ばせる方法…セルフパフォーマンス(セルパ)とでも言うのかな?
そもそもの感覚のズレなのか、スピードについていけないのか…淀みに浮かぶ笹の葉のように、実態なく漂っている感のある自分自身
セルパをもっと意識すれば、何処かの岸に辿り着けるのかも知れないな
セルパと言えば、うちの息子
セルパを上げる達人じゃないかな
身の回りの目についたものを利用して、どんどん楽しんでいきます
何もない状況から、閃いて、主体的に遊ぶ
これって結構凄い能力だと思うんです
時間があろうと無かろうと…思いついたからには試さずにいられない
遊びって、自分の満足いく過程が全て
意味がないから楽しいし、そもそも終わらせるために取り組んでない
バカバカしい事に本気で挑んでる姿が、微笑ましくもあります
気分が沈んでいる時は、歌って自分を盛り上げる
もちろん、気分がいい時はノリノリで歌って踊っています
自分の喜ばせ方、面白がり方を知っている事…彼が日々朗らかで、機嫌のいい性格である所以じゃないかな
天真爛漫な優しさに、どんな時も救われています
臆せず、羽を広げていってね
そんな彼の姿に後押しされて、私も最近パン作りを始めました
ずっとやってみたかった、天然酵母のパン作り
もうちょっと時間が取れるようになったら…と、知らず知らずのうちに身構えていたけれど
あ!パン作りって遊びだ!って事に気がついたんです
義務でも何でも無くて、やりたいからやるだけ
朝食に焼きたてのパンを…なんてお約束は考えない
早朝からでも深夜でも、気が向いた時が遊びの始まり
粉のいい匂いと手触りに癒されながら、無心にこねるのが楽しい
ゆーっくりだけど力強い、発酵の様子を見るのが楽しい
時間通り、想定通りにいかないことも面白いし、それに対して、あーかな?こーかな?と対応することもまた面白い
全身でパン作りを実感する事が、私自身のセルパを高める遊びになっています
そうそう、想定通りじゃないと言えば、事務所の拠点を移動した事
息子の成長と共に、どうしても窮屈になり始めた環境を改善するため、数年前から自宅兼事務所となる物件を探していました
地域に執着し過ぎず、土地から中古マンションまで幅広く検討
早く見つけたい!とは言え、立地、広さ、趣き、もちろん価格も大事
なかなかしっくり来るものがなく、焦りと共にほぼ諦めかけていた時に出会ったのが、今の事務所です
何かの直感が働いたのか、夫婦二人ともあっさり決断
あれほど決まらなかったのが嘘のようです
まさか自宅と事務所を別々にするなんて、想像もしていなかった!
こうして、図らずも毎朝12分間の自転車通勤がスタートしました
事務所までの道のりは、ほぼ平坦で真っ直ぐ見通せる一本道
日頃から凝視のし過ぎでガチガチになった目元を緩めるようにして、ずーっと先の方に視線を定めながら、自転車で向かいます
2キロを過ぎ、到着目前に待ち受ける坂道は最後の難所
昨日の自分に挑みながら、気合を入れて登りきります
昨日より少し楽に登れた!と満足気に息を切らして、あとは下り坂に任せていれば事務所に到着です
事務所の窓ガラス越しに見える緩やかな坂道は、道幅が広過ぎず、行き交う人々や車との距離感がちょうどいい感じ
そんな動きのある景色も、気に入っています
自転車での行き帰りは、仕事のこと、家族のこと…色々な事が頭の中を巡ります
すぐに仕事と家事を始められる自宅では意識していなかった、手を止めて整理する時間
煩わしいと想像していた移動時間は、思いのほか大切なものになっています
我が家に文鳥たちが仲間入りして、8ヶ月余り
ついこの前まで、寒くないかと心配で、何度も温度計を確認していたのに、今は暑さとの闘いです
保冷剤や扇風機を使って様子をみたり、水浴びをさせてやったり
忙しい時は煩わしくもなるけれど、それでもやっぱり、何とかしてやりたい…と、思う
共に生きる煩わしさって、実は生き甲斐と同じようなものかも知れないな
駆り立てられて、応えたくなる
愛しい家族のために、そして自分のために
日々打ち寄せる波に向かって、前のめりに挑んでいる今日この頃です
追伸
何と‼うちの文鳥たちが、2週間程前から卵を温めています
忙しいのを尻目に、やっぱり楽しみであれこれ考えたり、調べて準備したり
さぁ次はどんな波が来るのやら〜
サーフするなら凪ではつまらない!ってもんです
text by わきもとえつこ